認知機能アップ遊び

集めて整理して知識を深める:コレクション遊びが脳を元気にする理由

Tags: コレクション, 脳トレ, 認知機能, 趣味, 分類・整理

年齢を重ねるにつれて、「あれ、なんだっけ?」と物忘れが増えたり、新しいことを覚えるのが億劫に感じたりすることがあるかもしれません。これは自然な変化の一つですが、多くの方が「脳の元気」を保ちたいと考えていることでしょう。難解な訓練ではなく、日々の生活の中で楽しみながら、脳を活性化できる方法があれば理想的です。

様々な遊びや活動が認知機能の維持・向上に役立つことが知られています。その中でも、「コレクション遊び」は、単にものを集めるだけでなく、多様な脳の機能を刺激する、奥深い活動です。今回は、コレクション遊びがどのように脳を元気にするのか、そしてどのように楽しむことができるのかをご紹介します。

コレクション遊びとは?

コレクションとは、特定のテーマに沿って物品や情報を収集し、整理・保管する活動です。切手、コイン、古い写真、マッチ箱、鉄道グッズ、鉱物、植物の葉や種、地域のパンフレット、あるいはデジタルデータ(気に入った画像や音楽、記事)など、対象は実に様々です。

コレクション遊びは、単に集める行為だけを指すのではありません。そこには、以下のような一連のプロセスが含まれます。

これらのプロセス一つ一つが、脳に良い刺激を与えてくれるのです。

コレクション遊びが脳を元気にする理由

コレクション遊びの各プロセスは、認知機能の様々な側面に働きかけます。

1. 計画力と遂行機能の刺激

「何を」「どのように集めるか」というテーマ設定や収集方法を考えることは、目標を設定し、達成までの段取りを考える計画力を養います。そして、実際に探しに行ったり、手に入れるための手続きをしたりすることは、考えたことを実行に移す遂行機能を活性化させます。フリマアプリを使ったり、地域の骨董市を訪れたりする計画も含まれます。

2. 注意力と判断力の向上

集めるものの中から目的のものを探し出す際には、細部に注意を払う注意力が必要です。また、手に入れるべきか、あるいは同じものでもどちらが良いかなどを考える際には、判断力が求められます。例えば、古い切手の汚れ具合や発行年を確認する、似たような模様の石ころを見分けるといった作業です。

3. 分類能力と論理的思考の活用

集めたものを種類別、年代別、地域別など、何らかの基準で分ける分類作業は、脳の中で情報を整理し、構造化する能力を鍛えます。なぜその基準で分けるのか、どのようなグループ分けが適切かを考えることは、論理的思考を促します。これは、脳内の情報の引き出しを整理するのに似ています。

4. 記憶力と知識の蓄積

コレクションの対象について調べたり、新しく手に入れたものの情報を覚えたりすることは、新しい知識の獲得につながります。また、過去に集めたものを思い出すことは、記憶の検索と定着を助けます。特定のテーマに深く関わることで、関連する情報を自然と覚え、知識が芋づる式に増えていくことも期待できます。

5. 空間認識能力と手先の巧緻性

集めたものをファイルに整理したり、棚に並べたりする際には、物の位置や形を把握する空間認識能力が使われます。また、繊細な切手をピンセットで扱ったり、小さな部品を整理したりする作業は、手先の巧緻性(器用さ)を高めます。手と頭を同時に使うことは、脳の広範な領域を刺激します。

6. 好奇心と探求心の維持

コレクション活動は、「次はどんなものに出会えるだろう」「この切手にはどんな歴史があるのだろう」といった好奇心を常に刺激します。未知の情報を知りたい、もっと深く探求したいという意欲は、脳を若々しく保つための重要な要素です。

7. コミュニケーションの促進

集めたものについて家族や友人に話したり、見せたりすることは、言語能力の訓練になります。また、同じ趣味を持つ人との交流は、新たな人間関係を築き、社会性を維持することにも繋がります。自分の好きなことについて語る時間は、脳にとっても心地よい刺激となります。

コレクション遊びを始めるヒント

まとめ

コレクション遊びは、ただ物を集めるだけではなく、計画を立て、探し、選び、分類し、整理し、調べ、そして誰かに語るという、多岐にわたる活動を含んでいます。これらの活動は、計画力、判断力、記憶力、分類能力、知識欲、好奇心、手先の巧緻性、コミュニケーション能力といった、様々な認知機能を複合的に刺激します。

楽しみながら脳を活性化したいとお考えなら、ぜひ身近なものからコレクション遊びを始めてみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見と、脳がイキイキとする喜びを感じられるはずです。